バルト3国訪問3日目:リトアニア ― 2008/05/03 23:31
今日は、リトアニアの首都ヴィリニュスに向かう。途中、十字架の丘、カウナス、トゥラカイを経由する。
今日のガイドさんはリトアニア人のユリアさんというヴィリニュス大学で日本語を教えている先生。日本語がとてもうまい。反町隆が主演した杉原千畝のドラマではリトアニアでのロケの通訳を務めたとの事。
朝ホテルを8時に出発して、まずは十字架の丘のあるシャウレイという町に向かう。リーガから約2時間。途中、シェンゲン加入で使用されなくなった国境を通過し、リトアニアに入る。リトアニアに入ってから道が少しよくなった。ガイドさんは自慢げ。
途中、ガソリンスタンドでトイレ休憩。大型バスを止めてトイレだけ借りるなんて申し訳ないと思ったが、よくよく考えれば、このGSは高速道路のサービスステーションなのだ。
<十字架の丘> 10時半に十字架の丘に到着。野原の真ん中に10メートルほどの小さな丘があるが、そこが無数の十字架で埋まっているという特異な光景に出会う。最初の十字架は1831年のロシアに対する蜂起の後、処刑された人々のために立てられたらしい。他にもいろいろな伝説があるという。
ソ連時代には、この丘は禁域とされ、何度も焼き払われたりしたが、その都度夜陰にまぎれて、翌朝には十字架が立っていたという。
現在は、願いをかなえてくれる場所として十字架を残していく人たちが多い。結婚式を終えたカップルが幸せを願い、十字架を残すともいう。
ガイドさんがしきりにここは、お墓ではなく、希望をかなえてくれる場所なので、明るくとらえてほしいといっていた。ここには、ヨハネパウロ2世がリトアニアのロシアからの独立直前に訪問し、独立の希望がみえると話したという。
<カナウス> 十字架の丘を後にして、つぎはカナウスに向かう。カナウスは中世にハンザ同盟により栄えた都市。また、両対戦の間の22年間、ポーランドに占領されたヴィリニュスに代わってリトアニアの首都となっていた。
カナウスの旧市街の中心地、旧市庁舎の横のレストランで食事。食事はリトアニア名物の赤カブのスープ、シャルティパルシチェイにメインはツェッペリンという芋でできた食事。なかなかおいしい。
この旧市庁舎は「白鳥」に例えられる美しいバロック様式の建物。この旧市庁舎は現在結婚登記所となっていて、新婚のカップルが次々と訪れるのをレストランの窓から眺めた。
食事の時間が長くなり、旧市庁舎周辺にある歴史的な建物の写真を撮る時間さえなかったのが悔やまれる。
<杉浦千畝記念館> 昼食後は、「日本のシンドラー」という杉原千畝の記念館に向かう。杉原千畝は第2次世界大戦初期、ナチスの迫害を逃れ日本通過に活路を求めたユダヤ人に対して、本国の指示に背いてビザを発給して6000人ものユダヤ人の命を救った。
彼の生涯をまとめた短いビデオを展示室でみたが、本当にすばらしい行為であり、日本人として大変誇りに思えた。彼のことは多くのリトアニア人が知っており、また戦後この行為がもとでシベリアに抑留された後、日本に戻った彼をイスラエルが探し当て、感謝の意を表している。今でもユダヤ人の間では、忘れえぬ人になっていることがひしひしと伝わってきた。
<トゥラカイ> 次に向かったのはトゥラカイ。ヴィリニュスに移る以前にリトアニアの首都が置かれていた場所。赤レンガのトゥラカイ城が水面に生える。30以上の湖と森に囲まれたリトアニア唯一の歴史国立公園の一部。ヴィリニュスから30キロと近いこともあり、地元の人たちが多く訪れる。
トゥラカイ城は14世紀後半にチュートン騎士団の侵略を防ぐために建設された。リトアニアの最も有名な王、ヴィータウタス大公はここで生まれたという。1405年にはこの城はヴィータウタス大公により、ベネディクト会の修道士に譲られた。
堀にかかる跳ね橋を渡り本丸を見学。場内には歴史資料が展示されている。
また、この地方にはカライメという少数民族が住む。この民族は15世紀初めにヴィータウタス大公によってクリミアから連れてこられたトルコ語系の人々。もともとの地のカライメは絶えてしまったというが、この地には200名ほどが民族性を保ちながら暮らしているという。
<ヴィリニュス> 最後に今日の宿泊地であり今回の旅の最終目的地であるヴィリニュスに向かう。今日は夕食のみ。夕食はロキスという旧市街のレストランで、民族音楽を聞きながらの食事を楽しんだ。料理は普通のステーキだったがとてもおいしかった。
ホテルは旧市庁舎からほど近いコンティという比較的新しいホテル。到着したら、一部の部屋が水道管のトラブルで使えないとのこと。自分を含む単身の3名と添乗員・ガイドが他のホテルに移されることになった。いつものように夜景の写真を撮りにでかけようと思っていたので、予定が狂いがっかり。
移されたはホテルはヴィングリアイという4つ星ホテルでそんなに悪くなかったのが救い。部屋にはジャグジーバスがついていたので、夜出かける代わりに、ゆっくり疲れをとることにした。
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