フィレンチェの休日2日目:不運な1日 ― 2007/03/04 23:50

昨日の夜はトイレの水が流れっぱなしで、その音がうるさくてなかなか寝付かれなかった。深夜にフロントに電話をして部屋を代えてもらおうとしたが、全く受け付けてくれず、止むなくシーツをかぶって寝た。あきらかに寝不足。(不運①)
今日は、残されたウフィッツィ美術館と南岸のサント・スピロト地区を訪問予定。
まずは、朝一番でウフィッツィ美術館に向う。8時15分の開館のところ、7時45分に到着。すでに日本人の観光客が6名ほど並んでいた。実は、8時45分の予約をしてあったのだが、朝1番の状態では、予約用の窓口と一般窓口の区別がつかなかった。多分、皆は一般の窓口に並んでいると思い、そのまま列に続く。予約を使うと3ユーロかかるので、こちらの方が得。8時15分を少し過ぎたところで開館。この時点でh30-40名並んでいたが、9割方日本人であることに驚く。また、予約窓口の方も日本人団体客が多く並んでいる。この時期、イタリアは日本人の若者に席巻されている。結論としては、朝1番にならべば予約は不要。
3ユーロ得をして、6.5ユーロ払って入場と思ったが、後で気づくと20ユーロ渡したのに、3.5ユーロしかおつりがない。あせって列を離れてしまっていたので後の祭り。わざとぼられたのか、単純にミスなのか、後味が悪い。昨夜に続き、悪運が続く。(不運②)
ウッフィツィ美術館も写真撮影禁止。美術館見学のいつものルーティーンでオーディオガイドと公式ガイドブックを入手。思うのだが、写真撮影が許されていないほうが、ゆっくりと絵の鑑賞ができてよいことがわかる。
80分分のオーディオガイドを聞きながら、ガイドブック片手にゆっくりと絵をみてまわる。ここはルネッサンスのイタリア絵画の宝庫。ジョット、フロッポ・リッピそして、代表作はボッティチェッリの「ヴィーナスの誕生」と「春」。他に、ミケランジェロ、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ラファエロ、カルバッチョのイタリアの巨匠に加え、フランドル・オランダのルーベンス、レンブラント等、時を忘れて絵を鑑賞。結局、この美術館を出たのは11時。2時間45分の鑑賞であった。
美術館を出て、お腹がすいたので、ヴェッキオ橋たもとで、ジェラートを注文。値段が9ユーロと言われ、びっくり。うっかり、コーンのサイズを言わなかったら、一番大きなものを出されたようだ。日本円で1500円もするアイスクリームは初めて。不運は続く。(不運③)
ヴェッキオ橋を渡り、南岸のサント・スピリト地区にわたる。地球の歩き方の番号に従い、まずはベルヴェデーレ要塞に向う。地図に従い、急なサンジョルジョの坂を上る。たどりついたベルヴェデーレの要塞は閉館中。ガイドブックをみると、何かの行事がないかぎり空かないとのこと。(不運④)
やむなく、城壁沿いに次の目的地ビッティ宮に向う。ところが、行っても行っても城壁や塀に阻まれ、目的地に向えない。結局、ヴェッキオ橋と全く反対側のローマ門に着く。そこから、ヴェッキオ橋方面に向かい、ゆうに1キロ以上の遠回りをした。(不運⑤)今日は初めてイタリアらしい青空に恵まれた中での散策となったのがせめてもの救い。
結局1時間も貴重な時間を無駄にして、次の目的地ビッティ宮に到着。ここはフィレンツェの豪商ルーカ・ビッティが15世紀に建てた私邸で、後にメディチ家のコジモ1世の妃エレオノーラ・ディ・トレドが買い取ったもの。その後、歴代のトスカーナ大公が住む宮廷となった。左右の翼の張り出しがすごい。
ビッティ宮の2階に位置するパラティーナ美術館は、歴代トスカーナ大公のコレクションを公開したもの。ここでの必見はラファエロ。ラファエロの描く女性はふくよかで品がある。こんな女性に恋をしそうだ。
ビッティ宮を出て、前面に広がるボーボリ公園に向う。またまた、不運。(不運⑥)入場券はパラティーナ美術館のものとは別のものが必要とのこと。一旦、外にでて、入場券を買いなおす。
ローマや他の都市では、全ての美術館や公共交通機関を一緒にしたシティカードという割引券があるが、フィレンチェにはそれがない。いろいろなところで、入場券を買うと結構な金額になる。集計していないが、かなりの額だろう。
ボーボリ公園は初春の感。暖かい陽気に誘われ、草花が花をつけ始めている。芝生に寝転ぶカップルが多くみられる。いよいよ春の訪れ。
ボーボリ公園を後にして、次にサント・スピリト教会に向う。ここは、土日は16:00-17:30までしか開いておらず、外観の写真だけにとどめる。次は、サンタ・マリア・デル・カルミネ教会。ここは礼拝堂に書かれたフレスコ画の聖ペテロの生涯と「アダムとイブの楽園追放」で有名。これでサント・スピリト地区は制覇。
次に、昨日唯一みることのできなかったメディチ家礼拝堂に向う。またまた不運。残念ながら第1日曜日は閉館。(不運⑦)ついにここだけは今回みることができなかった。
最後に、もう一度、晴天のもとでドゥオーモを撮影しようと、チェントロに向う。あまりに強い日差しで、写真的には満足がいかない。
ここで、フィレンチェの全日程を終了。1.5日強で、主な見どころはすべて制覇することができた。大変満足。
最後の難関は、帰りの足。ホテルでタクシーを呼び、フィレンチェ空港へ。わずか20分で到着。フィレンチェからはミラノ経由でブラッセルへ。ブラッセルへの直行便は時間が早すぎ、使えないため、やむを得ず経由便に。ローマ経由とミラノ経由があったが、時間では1時間程余分にかかるものの、22:30とローマ便に比べ1時間早く帰着できるミラノ便を選択。空港での待ち時間が2時間半、トータルの時間が5時間もかかり効率が悪い。ちなみにフィレンチェ-ブラッセルの直行便は2時間もかからない。
フィレンチェ-ミラノ間は、予定よりも早く飛び立ち、予定時間よりも早く到着。迎えのバスがまだきていなかった。そこからが試練。最後の不運。(不運⑧)2時間半の乗り継ぎ時間を待っていると、出発遅れの案内。当初20分遅れの掲示だったのだが、そのうちアナウンスもなく1時間遅れに。これでは、何のために効率の悪いミラノ便にしたのかわからない。所詮アリタリア航空。遅れるのが当たり前とあきらめるしかない。
1時間遅れてブラッセルに到着。やれやれの思いで、車を置いておいた会社に戻る。時間はすでに夜の11時。ここで最後の不運に遭遇。車を一部修理する必要があったため、鍵とともに車を預けておいたのだが、車はおろか鍵すらも見当たらない。(不運⑨)どうなったのかと思い、鍵を預けた本人に電話。別の担当と連絡がとれなかったので、車も鍵もどこにあるかわからないという。呆れてものがいえなくなった。それなら、他の車を用意するなり、連絡するなりしてくれ!明日、7時には家を出て、50キロ離れた拠点まで車ででかけなければならないのに・・・。流石に、声を荒げてしまった。結局、会社に置いてあった合鍵をもって、真っ暗な中で駐車場を探し回り、やっと車を探し当てた。
無事、家に帰着したのは0時過ぎとなった。本当に今日は厄日のような日であった。無事に家に帰れたのがもうけもの。こんな日ははじめて。とにかく疲れた!
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