山カラ隊 欧州遠征 4日目:独ベルヒテスガーデン国立公園縦走① ― 2007/08/14 23:07
今日は今回の山カラのハイライト、ベルヒテスガーデン国立公園の縦走3日間の初日。
朝8時にホテルを出て、国立公園内のコーニング湖へ。ここからボートで湖を縦断。ボートは電気駆動で、音もなく静かな湖面をすべるように進む。
途中、山あいでエコーがよく効くところで、ボートの船長がトランペットを取り出し1曲披露。見事なエコーとのハーモニーで、満員の乗客の喝采とチップを得た。
ボートが着く先には、この国立公園のランドマークであるThe Pilgrimage Church of St. Bartholomewが静かにたたずむ。この教会は1134年に建てられ、現在のバロック式のものは1688/1710年のもの。
今日のハイキングは、この教会から始まる。旅のガイドはローカルのピーターさんとコルトさんとシェパード犬のアルコー君。この二人のプロガイドはこの地方での著名人らしい。アルコー君はとても賢く、遭難者の救助も行なうという頼もしい存在。今回の山カラ企画のためにフランツさんがババリア州観光局に頼んで特別にアレンジしてくれたもの。
ハイキングは標高600メートルこの地点からスタート。草花の小道はまるで、日本の国立公園のよう。
2キロを過ぎたところで、道の勾配が急になった。300メートルぐらいを一気に登る。登りきると急に視界が開け、コーニング湖がとても美しく見えるポイントに立つ。ここからのアングルが絵葉書の撮影ポイントになっている。
そこからしばらくは、楽な道が続く。途中、小川のほとりで小休止。水はアルプスの雪解け水で、氷のように冷たい。昨年の暖冬で今年は雪解け水が少ないという。
さらにしばらく平坦な道が続く。出発から3時間ぐらい歩いたところで昼食。朝ホテルで受け取ったサンドイッチと桃とリンゴを食べる。
昼食後、ここからが一番苦しい場所。「ピッグウォーク」と言われ、皆ブタがあえぐようにヒーヒーと息をきらす程の急勾配。はるか上方を登っていく人たちをみて、ため息をつく。
ただし、周りの景色はとてもすばらしい。ワッツマン山の断崖絶壁や、ある場所からはそれがマッターホルンのようにも見える。また、動物にもところどころで出会う。山羊、マーモットが今日の来客。
やっとのことでピッグウォークを登りきる。皆声に出して言わないが、相当にバテている。ここらから残りは後2キロ。もう少しというところで、今度は雨がポツリ、ポツリと落ちてきた。今日は朝から快晴でとてもすばらしいコンディションでの山歩きであったが、さすがに最後までは続かなかった。
皆雨具をつけて黙々と歩き出す。歩くペースが速まったようだ。とうとう雷鳴までとどろき出した。山での雷は怖い。休憩もすっ飛ばして、一目散に宿に向う。宿に着く直前に雨は本降りとなり、相当にぬれてしまった。
カーリンガンハウスが今日の宿。標高1620メートル。日本の山小屋とは比較にならない程豪華。カーリガンハウスの部屋は2段ベッドが2台入っている4人部屋。ご夫婦は一組でその部屋を利用。我々は単身者3名で相部屋。
5時には宿についたが、皆早速ビールでの宴会の開始。ダイニングルームの半分を占拠して大いに盛り上がる。
1時間後にやっと食事の用意ができ、さらに宴がたけなわとなる。全く日本にいるような気分で大声でおおはしゃぎ。挙句のはてには、雨でできなかったストレッチ体操をテーブルに着きながらやり始めるにいたっては、周りのドイツ人から白い目で見られていた。これで日本人の評判が落ちたのでは。。。
宴はさらに続く。食事の後、雨の上がったテラスにワインを持って出て、夕日に映えるグリーン湖とワッコゲ山をさかなにさらなる酒盛り。ほとんど花見のような盛り上がりに、周囲のドイツ人たちはあっけにとられていた。山カラの本領発揮か?
今日の行程は8キロ、標高差1200メートル、約6時間の歩きであった。
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