晩秋のヴェネチア3日目2007/11/03 23:04

夕暮れのサン・マルコ寺院

今日は朝早く起きて、ヴァポレットを使ってまず市場にでかけた。この市場へは運河を用いて魚や果物が運ばれてくる。今日は土曜日なので、買い物客が多くなるということだが、ヴェニスの人たちの朝はあまり早くない。10時過ぎぐらいから混み始めるとのこと。その後、リアルト橋を渡って、サン・ジョコモ・リアルト教会の時計台を撮影。

再び橋を渡って、サン・マルコ広場に向う。朝8時のサン・マルコ広場はさすがに人が少ない。昨日あまりの人で取りやめたドゥカーレ宮殿の入口に並ぶ。9時の開館に向けて、8時半ぐらいから人が並びはじめている。

ドゥカーレ宮殿はヴェネツィア共和国の総督の居城として使われていたほか、国会、行政、裁判を司る。さらに牢獄も置かれていた。各部屋にはすばらしい装飾が施され、数多くの名画が掲げられている。残念ながら写真撮影は許されていない。オーディオガイドを使って、1つずつ丁寧に見ていったら2時間もかかってしまった。また、ここから外を見渡し、この世に今生の分かれを告げて溜息をついたという「溜息の橋」を渡った先にある牢獄も興味深い。

次にヴァポレットで向ったのは、アカデミア美術館。休日だけあって、観光客を乗せた数多くのゴンドラとすれちがった。アカデミア美術館は14~18世紀のヴェネツィア派絵画を数多く集めている。昨日・今日とみてきたヴェネツィアの風景が絵の中にあるのを見つけるのはおもしろい。

次に美術館前のアカデミア橋を渡って高級ブティックが建ち並ぶ3月22日通りを目指す。ミラノのイメージで行ったのだが、店構えやブランド揃えが大したことなくがっかり。それよりも、偽ブランド品を高級ブティック前の通りで堂々と広げている黒人達がたくさんいるのに驚いた。イタリアはブランド品で潤っている国なのに、ブランド保護に無関心なのだろうか。ヨーロッパのどこの都市にいってもこういった黒人達が偽ブランド品を道端で広げて売っているのだが、彼らはいったい何者で、どこで品物を仕入れているのかいつも疑問に思う。

再び、アカデミア橋を渡ってペギー・グッゲンハイム美術館に立ち寄る。9月にスペインのビルバオでグッゲンハイム美術館を訪れたのだが、そこはどちらかというと近代のオブジェが中心。ここは、ピカソやデ・キリコ、グッゲンハイムの2人目の夫マックスといったシュールレアリズムの絵が中心。オブジェよりは多少判りやすい。

その後、サンタ・マリア・デッラ・サルーテ教会に向う。この教会は当時蔓延していたペスト終焉を聖母マリアに感謝して1631年から1681年の間に建てられたもの。ヴェネツィア・バロックを象徴する建物。いつもサン・マルコ広場の対岸から眺めているが、ドームが工事中で写真的には美しくないのが残念。中に入るのは今回がはじめて。意外に殺風景でだだっ広いドームという感じ。

再びヴァポレットに乗り、今度はリアルタ橋へ。そこからコンタリーニ・デル・ヴォーヴォロ階段を目指す。残念ながら改装中で、円筒型のらせん階段を上ることはできなかった。

そのまま歩いていると迷って、またサン・マルコ広場に出てしまった。夕暮れのサン・マルコ広場を撮影。ついでに、サン・マルコ広場にあるコッレール博物館に入場。明示していないのだが、ここのチケットはドゥカーレ宮殿と共通になっている。ここには14~18世紀のヴェネツィアの歴史と人々の暮らしぶりをしのばせる展示品が多いとのこと。歩きつかれたこともあり、ここの展示物はさっとみるだけで終わった。

またまたヴァポレットに乗って、一旦ホテルに戻る。サン・マルコのヴァポレット乗り場はとても混雑していて、何隻も船を待たなければならなかった。

昨日のイタリアンのセルフ店で簡単に食事をすませる。今日はリゾットとスープを注文したが、これもおいしくなかった。

昼間にインタープリティ・ヴェネツィアーニという室内4重奏団のコンサートのチケットが買ってあったので、そのコンサートが行なわれるアカデミア橋のたもとの聖ヴィダル教会へ。今回は歩いてサン・マルコ広場までいき、そこからヴァポレットでアカデミア橋へ。歩きのは45分もかかり、流石に疲れた。

コンサートの演目は、ヴィバルディの四季他。この楽団は日本でも公演を行なっていて結構有名なようだ。チケットは完売。教会内での弦楽四重奏+チェンバロの音色はすばらしい。特にチェロ奏者のダイナミックな演奏振りは観客の目をひいた。折角なので、彼らのCDを購入。

今日は、4つの美術館・博物館を巡り、最後は音楽鑑賞ととても文化の香り高い1日だった。また、本当に沢山歩き、またヴァポレットにも何度もお世話になった。