プロヴァンス2日目:ユゼス・オランジェ・アヴィニョン ― 2008/03/23 23:35
今日は、朝7時にホテルを出て、昨日見つけられなかったヴァン・ゴッホ橋を探しにでた。ホテルでもらった地図を便りに道をたどったが、なかなか見つからない。諦めかけたところで、ナビの新しい機能をみつけ、それでなんとかたどり着くことができた。何にもないところにポツンと跳ね橋がかかっている。これはオリジナルのゴッホのモデルではなく、復元されたものだとのこと。
もう一ヶ所、昨日みつけられなかったゴッホが入院していたエスパス・ヴァン・ゴッホもナビで探したが、昨日に引き続きフェリエの交通規制で、道が閉鎖されていたので諦めることにした。
<ユゼス> 次に向ったのは、ユゼス。ここはフランスで最も美しい町なみと言われ、映画のロケによく使われるとのこと。16世紀以降、フランス最大の公爵として栄えたユゼス家の城は今も堂々とそびえている。あちこちに17-18世紀のブルジュアの邸宅が立ち並ぶ。
まずは、フレストレル塔のあるサン・テオドリ大聖堂に向う。イタリア・ロンバルディア様式の円形の塔は仏ではここだけ。テラスからの眺めはすばらしい。
次に公爵邸に向かうが、開館が10時とまだ時間があったので町を散策。途中、町のカフェで本場のカフェオレとクロワッサンで朝食。
旧市街の中心となるオーゼルブ広場では、マーケットが開かれていた。売っているのは、ガラクタではなく、ちゃんとした芸術品。揃いの陶器がそれぞれの屋台に並べてあったが、どれもなかなかデザインがいい。さすが芸術の国フランス。
開館時間になったので、公爵邸に向う。公爵邸はベルモンド塔に登る券と居城をガイドツアーで回る券がある。時間がないので、塔に登るだけとした。塔は中が狭く、息が切れた。ただ、上からの眺望はすばらしい。赤い屋根のユゼスの町がよく見える。
車を駐車したサン・テオドリ大聖堂に戻る途中でゆっくりと古い町なみを見て歩いた。時間があれば、歴史的建造物をみて歩くツアーがある。
<オランジュ> 次に向ったのは、かつてのローマ帝国の重要な都市として栄えたオランジュ。2000年前とほとんど変わらぬ姿で残っている世界遺産の「古代劇場」と「凱旋門」が有名。
車をインフォメーション前の駐車場に置き、まずは古代劇場に出かける。この劇場は、世界で最も保存状態のよいローマ遺跡。中央にアウグストゥスの彫像が立つ背後の石壁は圧巻。ルイ14世をして、「わが国で最も美しい壁」と言わしたもの。ここでは、毎年夏に音楽フェスティバルが開かれる。音響効果は今も健在。
次に、凱旋門に向う。これは、古代劇場から少し離れたところにポツンとある。この門はリヨンとアルルを結ぶアグリッパ街道にあった。今は国道と化している。
<アヴィニョン> 今日の最終目的地はアヴィニョン。アヴィニョンは城壁に囲まれていて、車の乗り入れが制約されるので、城壁のすぐ外、セントラル駅の隣にあるアヴィニョン・グランド・ホテルに宿をとった。4つ星で、今回の旅行の中、一番高いホテル。それでも126ユーロ。
ホテルの駐車場は公営駐車場で、時間ごとにお金をとられるので、城壁外の無料駐車場に車を移し、徒歩で城壁内へ。
まず、向ったのは法王庁宮殿。1334-52年にかけて、アヴィニョンの2人の法王が建てた宮殿。面積1万5000㎡、高さ50mと巨大な要塞。内部は調度品等が置いていないので殺風景だが、各部屋の大きさに圧倒される。
次に向ったのはもう1つの世界遺産サン・ベネセ橋。「アヴィニョンの橋で踊ろよ、踊ろよ」で有名な橋。この町に法王庁がやってきた中世に、この町の人たちが浮かれて夜な夜な歌い踊ったという。
この橋は1177年から8年かけて造られた。伝説では、ベネゼという羊飼いの少年が神のお告げで建設を決意し、基礎になる大岩をひとりで持ち上げ、川に投げ込んだという。
もともとは長さ900m、22のアーチがあったが、戦争やローヌ川の氾濫で何度も破壊された。今は4つのアーチとサン・ニコラ礼拝堂を残すだけ。
次に向ったのは法王庁の裏にあるドン岸壁の上に築かれたロシェ・デ・ドン公園。サン・ベネゼ橋からの入口がわかりづらく、何度も迷った上にたどり着いた。
その近くにプティ・パレ美術館がある。ここは中世からルネッサンスにかけての宗教画が多く展示されている。特にボッティチェルリの「聖母子」はこの美術館の目玉。閉館15分前に入館したので、駆け足で絵画を見て回った。
その後、アングラドン美術館にも閉館前に駆け込んだ。こちらはパリのコレクター、ジャック・ドゥセの収集品を相続したアングラドン夫妻が開設した美術館。小規模だが、ピカソ、モネ、ドガ、セザンヌ、藤田等19-20世紀の画家の作品が展示されている。
アヴィニョンの主な見どころを見終わったら、随分お腹が空いた。気温も低く、体が冷えたので、暖かいものが食べたくなり、時計台広場の周りに立ち並ぶ観光客目当てのレストランでパエリアを食べた。その内に日が傾き、夕陽に映える法王庁やサン・ベネゼ橋の写真をとりそこなったことに気づいた。取り返しのつかない失敗だった。
食事の後、元気が出たので、寒風の中ローヌ川にかかるダラディエール橋を歩いて対岸の中洲に渡った。そこから見るライトアップした法王庁やサン・ベネゼ橋はすばらしい。アヴィニョンの町は、夜景がとても美しく、何枚も写真をとった後にホテルに戻った。
最近のコメント