早春のコペンハーゲン ― 2008/04/19 23:44
今回は、北欧諸国の首都でまだ訪れたことのなかったコペンハーゲンを週末利用で訪れることにした。
9時50分発のブラッセル航空便で、コペンハーゲンへ。チケットは9ユーロと空港税91ユーロの計100ユーロと格安だった。いつもならば、もう少し早い便を使うのだが、コペンハーゲンはコンパクトな町なので、半日もあればだいたい見て回れると考えた。
コペンハーゲン到着時に、コペンハーゲンカードを購入。24時間で99クローネ。このカードを使って、列車でコペンハーゲン中央駅へ。ここで、乗り換えてエスターポート駅へ。ここから徒歩で、アンデルセンの「人魚の像」を目指す。これだけの有名人だから、標識があるかと思ったが何もなく、迷いながらたどり着いた。
「世界3大がっかり」の一つといわれる「人魚の像」だが、前回の出張時に一度見ているので今回はがっかりしないで済んだ。人が少ないのに少し驚いた。前回は日本人観光客が大勢いて、写真をとるのに随分苦労した覚えがある。
「人魚の像」をみた後、隣のカステレット要塞へ。北の地にもようやく春が訪れ、芝生は青々として、花がところどころに咲いている。行き交う人々の表情がとても明るい。自分もトロントに5年住んでいたので、春が訪れたときにどんなにうきうきするかがよくわかる。
カストレット要塞は星の形をしている。コペンハーゲン港の入口を防御する目的で1662年に建築された。兵舎はそのままに、現在は美しい公園になっている。
その隣にはウィンストン・チャーチルの名を冠したチャーチル公園があり、その中には聖アルバニ教会やシェラン島の由来を物語るゲフォンの泉がある。
公園の外でホットドッグを買い、食べながらアメリエンボー宮殿に向かう。12時に行われる衛兵交代式が見たかったのだが、コペンハーゲン中央駅に着いた時点でその時間になっていたため、今回は諦めた。
この宮殿は、もともとは4人の貴族のマンションだったものだが、当時のクリスチャンスボー城が炎上したため、ここを宮殿とした。したがって、随分質素。昼に交代したはずの衛兵が暇そうに一人立っていた。
宮殿の隣にはフレデリクス教会がある。この教会はアメリエンボー宮殿を設計した建築家ニコライ・アイトブの設計。建築の途中で大理石が高価すぎると建築が中断したりしながら1894年に完成。この教会は地元の人たちは「大理石の教会」と呼んでいる。
次に向かったのはニューハウン。運河に沿ってカラフルな木造家屋が並ぶ。かつては船乗りたち向けの居酒屋が並んでいた。現在は、洒落たレストランが立ち並び、テラスで太陽を浴びながら食事をする人たちが数多くみられる。実際、ここだけ人がたくさん集まっていた。運河沿いに腰を下ろし、ビールを飲んでいる若者が数珠つながりになっている。この地はアンデルセンが愛した場所でもある。
ニューハウンの隣には「王様の新広場」と呼ばれるコンゲンス・ニュートーゥがある。真中にはクリスチャン5世の騎馬像がある。王立劇場、シャーロッテンボー宮殿等立派な建物が広場を囲んでいる。
次に向かったのは、ローゼンボー離宮。離宮の前はローゼンボー公園となっていて、人々は芝生に寝そべって太陽の光を楽しんでいる。公園の端のほうには水仙が咲いていた。
ローゼンボー離宮はクリスチャンセン4世に建てられたオランダ・ルネッサンス様式の建物。1634年に完成。
城内は、クリスチャン4世からフレデリック4世にかけて使用されていた部屋が復元されている。特に3階の長い広間は圧巻。3匹の銀のライオンに囲まれた玉座が置かれている。宝物殿では、クリスチャン4世と5世の王冠をはじめ、数々の財宝や刀剣等が展示されている。
次にラウンド・タワーに向かう。クリスチャン4世王が天文観測所として建てたもの。中はらせん状にあがっていく。屋上は展望台になっていて、眼下にコペンハーゲンの街を見下ろすことができる。
ランウド・タワーの屋上からコペンハーゲンの街のレイアウトをつかんだあと、この街一番の繁華街で買い物客で賑うストロイエを経て、途中聖霊教会を横目にクリスチャンスボー城に向かう。
石造りのクリスチャンスボー城は1167年にアブサロン大主教によって建設されたコペンハーゲンの発祥の地。現在この城は、国会議事堂や女王の謁見等に使われている。肝心の塔が工事中だったのが残念。
次に向かったのは、城のすぐそばにある国立博物館に向かう。ここにはデンマーク人の歴史と他の民族の歴史に関わる展示が行われている。4時に入館したが、閉館の5時まで留まった。エジプト・ギリシャ・ローマの古代のものに興味をひかれた。
国立博物館を出て、クリスチャンスボー城に沿って大通りに戻る。王立武器博物館、お城の国会議事堂側を横目に進む。途中、王立図書館の建物を撮影。噴水を前にしてとても美しい建物。
大通りに戻り、旧証券取引所の前を通り、クリスチャン教会と救世主教会を訪れた。救世主教会は高さ90mのらせん状の尖塔が特徴。時間が遅いので、両教会ともに中にはいることができなかった。
ここから、地下鉄で王様の新広場まで戻る。地下鉄は随分深いところを走っている。地下鉄を出ると王立劇場が目の前にあった。再びストロイエを通るが、5時にはお店がすべて閉まっていた。ロイヤルコペンハーゲンもその中にあった。聖霊教会を横目に眺める。
ストロイエを横にそれて夕食。03年・04年とベスト・チーピスト・レストランに選ばれたというリズ・ラズというお店でビュッフェ形式の食事をした。ガイドブックではデンマーク料理としてあったのだが、ごく普通のインターナショナルな料理でがっかり。そんなことならちゃんとしたデンマーク料理の店に入ればよかったと後悔。
夕食で元気をつけて、さらに歩き続ける。聖母教会が夕日に映えて美しい。すぐそばにはサンクト・ペトリ教会。
最後に、コペンハーゲン市庁舎に向かう。1905年に完成した市庁舎は中世デンマーク方式と北イタリアのルネッサンス様式を取り入れた建物。105.6mのコペンハーゲン一高い尖塔を持つ。
市庁舎の横には、チボリ公園を見上げるアンデルセンの銅像があり、その写真をパチリ。
ホテルは、チボリ公園を横目にコペンハーゲン中央駅を渡った先にある。駅の横には美しい郵便局がある。
ホテルはインターネットで予約した3つ星のホテル・アンスガー。690DKKと北欧のホテルとしてはリーズナブル。インターネットもあり、悪くはなさそう。ただし、周辺は多くのホテルが集まっている地域だが少し暗い感じがする。
ホテルで明日の「北シェラン島のお城めぐり」のツアーを予約して、一日が終了。いつもなら夜景をとりに出かけるのだが、疲れもあってそのまま部屋に留まることにした。
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