フィンランドにオーロラを求めて!2008/12/26 23:30

オーロラ

欧州での駐在最後の旅は、フィンランドの北極圏のリゾート、サーリセリカに決めた。ここで、オーロラを見るのが目的。カナダに5年間駐在したときも、ほとんどの場所にいったのだが、オーロラだけは見ることができなかった。今回、何とかそれを実現したいと思っていた。

朝、グランプラスのホテルを出て、列車で空港へ向かう。列車で空港に行ったのは初めてだが、結構便利だとわかった。

今日は、ヘルシンキ経由でフィンランドの北極圏にあるイヴァルに向かう。ヘルシンキで3時間ほど待ち時間があり、ラウンジで先週のベルリンのクリスマスマーケットの旅行記を仕上げることができた。

イヴァルへ向かうフィンエアー機の席はなんと自由席。早い者勝ち。欧州でこのシステムにあたったのは、ライアンエアーに次いで2度目。ただ、フィンエアーというきちんとした航空会社で、しかも乗客数も多い路線でこれはびっくり。

イヴァルには予定通り18時50分に到着。そこから、バスでサーリセリカに向かう。今回、ブラッセルの旅行者のツアーを考えたのだが、タイミングが合わなかったので、まったく同じルート、ホテルでちょっとだけ日程を変えて自分で手配した。この方が、かなり安く上がる。

ホテルは、サーリセリカで一番大きいツンツリホテル。着いてみてわかったのだが、ここは何軒かの建物の集合体だった。自分は、受付から歩いて5分の建物を充てられた。

8時にはチェックインしたのだが、すぐに荷物を降ろして、防寒着に着替えて、オーロラを見る準備にかかる。ホテルで、ツアーがないか聞いたのだが、ホテルの人は「そこらで見えるよ」というので、仕方なく、自力でうろうろしていた。なかなか、ライトのない暗い場所がみつからない。

カメラを持って歩いてきた人が、北の山に登るとオーロラが見やすいというので、それに従う。ナイター設備つきの山では、子供たちがソリ遊びをしていた。光の届かないところまで、どんどんあがっていく。

<オーロラ出現>

やがて、北の空が急に明るくなった。必死で、山を駆け上がった頃にはその光は既に衰えていた。かなり鮮やかなオーロラを見逃したようだ。すこしだけ、残った光にカメラを向けると、確かに緑の光がスクリーンに現れた。日頃、オートフィースしか使わないので、マニュアルの焦点調節リングの回し方を間違え、半分ぐらいの写真はピンボケになってしまった。

それだけでは、悲しいのでさらに30分ほど寒い中で待つと、再び北の空が明るくなってきた。最初のときほどではないが、今回は落ち着いてカメラを操作。なんと、緑の光のカーテンが揺れるオーロラに変化。カメラでもなんとかとらえることができた。

なかなかオーロラは見れないと聞いていたが、いきなり初日に見ることができたのは、とても幸運。この調子で、もっとすごいのを後二日で見られればと思う。

さらに11時半ぐらいまで、粘ったが、だんだん風と雲がでてきたので、とりあえず退散。

ラップランド2日目:スノーモビル・サファリ2008/12/27 23:58

スノーモビル

前夜が遅かったので、今日は8時に起き出した。外は一応明るくなっている。朝食を済ませて、11時からのスノーモビル・サファリに。今朝N君が申し込んでいてくれた。

スノーモビルにはカナダ時代に一度乗ったことがあったので、今回が2度目。前回のものより大排気量のマシン。スノーモビル用のトレールをゆっくりと隊列を組んで進む。雪原にトナカイを見つける。カメラを向けたのだが、うっかり昨夜のオーロラ撮影の設定だったようで、まったく写っていなかった。すでに4万枚以上の写真を撮ってきた愛用のカメラなのに、昨日から肝心なところでうまくいかない。

スノーモビルでラップランドの大自然の中を2時間走ったが、ほんとうにすばらしい体験だった。

スノーモビルが終わって、簡単な昼食を済ましたころにには既に、日が落ちている。時間を見るとまだ2時半。なんと短い日なんだろう。この調子だと、一日に一つのアクティビティしかできない。

その後、すこしショッピングなどをし、その後ホテルのロビーでインターネットでメールを読んですごした。外は暗いのでとりあえず何もすることがない。6時からホテルのサウナへ。フィンランドのサウナを期待したいたが、日本と変わらない普通のサウナなのでがっかり。

今日は、少し曇っていたのだが、なんとかオーロラが見えないかと、N君と再び昨日の山に登った。1時間ほど山頂で粘っていたが、さすがに寒い。地上で零下16度だったということなので、頂上はマイナス20度ぐらいにはなっていたのだろう。吹きさらしの中で、夜空をみているのもなかなか風情がある。ただ、そのまま続けると凍死しそう。

残念ながら、雲が広がって、結局オーロラは見ることができなかった。これが普通なのだろう。昨日は本当にラッキーだった。

下山した後、今日はちゃんとしたレストランへ。この地のトラウトを食べたのだが、とてもヴォリュームが大きかったが、非常においしかった。

サーリセリカ3日目:犬ぞり・クロカン2008/12/28 23:36

犬ぞりツアー

<犬ぞりツアー>

今朝は、9時15分から予約してあった、犬ぞりのツアーにN君と一緒に参加。どのツアーも2人での料金が標準なので、N君とめぐりあったのはとてもラッキーだった。今日は曇り空で9時になっても全く明るくならない。

昨日と同じツアー会社で防寒着に着替え、雪用のブーツを着用。車でハスキー犬ファームに向かう。そこで、ハスキー犬6頭立ての犬ぞりに乗る。最初にブレーキのかけ方等簡単なソリの操作方法を聞いて、出発する。犬たちは朝の散歩がまだなのか、ものすごい勢いで加速。途中から巡航速度になる。意外にスピードがでるのでびっくり。雪の林の中を犬ぞりに引かれて走っていくのは、いかにも北極圏にやってきた雰囲気。ただし、温度は意外に高く、0度前後か。全く寒くない。

犬たちは快調に飛ばす。途中、前を走るイタリア人の女性がカーブで降り飛ばされて、雪の中に沈没。柔らかい雪なので、怪我はなし。犬たちは先にどんどんいってしまった。

我々の犬ぞりは快調そのもの。1時間程度のツアーはとても面白いものだった。ゴール直前で、なぜか犬たちがそりの反対側に進んで、前に進まなくなったのはご愛嬌。スタッフに助けてもらって、無事ゴールイン。

ゴール後、山小屋で暖かいベリージュースが振舞われた。冷えた体にはとてもありがたい。

車でツアー会社に戻ったところで、時間はまだ11時半。昼食は、昨日いったスーパーのハンバーガー。これは、おおはずれ。

<クロスカントリースキー>

クロカンのスクールは、リエコンロリホテルのラップランドサファリというツアー会社で申し込んだ。道具とコーチ付きで2時間49ユーロ。

スキーと靴を借りて、外に出てみると、申し込んでいるのは全員日本人でびっくり。多分、どこかのパッケージツアーに潜り込ませてもらったのだろう。日本人のガイドまで途中までついてくれた。

クロスカントリースキーは、カナダで1度やったことがあったので、多少自信があった。ところが、意外に難しくてびっくり。コースは国立公園の中を抜けるもので、トラックが非常に整備されている。二本のスキー・トラックに乗って走るだけなので、とても簡単。下りは、スキーにエッジがないので、すこし怖いがなれれば大丈夫。往復で4キロ程度か。

折り返し地点で、コーチが暖かいベリージュースを配ってくれた。汗をかいた後の甘いジュースはとてもおいしい。

帰路はトラックをはずれて、スケーティングに挑戦。ちっともうまくいかない。カナダでやったときは、簡単だったはずなのに。もしかして、スキーの構造が違っているのかと何度も疑った。

レンタルスキーを返却する際に、明日のためにスノー・シューをレンタル。1日12ユーロ。

<スパ・サウナ>

クロスカントリースキーが終了したのは、3時。すでに日はどっぷりと暮れている。これからの時間が長い。疲れた体をいやすために、ホリデークラブ・サーリセリカにあるスパとサウナへ。入場料12ユーロ、貸しタオル2ユーロと結構高い。スパは、温泉のようなものを期待したが、子供の温水プールみたいで、がっかり。とりあえずサウナだけ入ってホテルに戻る。

<夕食>

夕食はN君と7時にとろうと約束していたので、ちょっと時間がある。それまで、ホテルの本館のメインロビーでE-mailとブログを更新。やりながら、うつらうつらしてしまったので、部屋にもどりちょっと昼ね。

夕食は、ホリデー・クラブのレストランで。サーモンかトナカイ肉かで迷ったが、折角の機会なので、トナカイ肉を注文。やはり、心配したとおり、ちょっと臭みがある。ただ、一緒についてきたベリーと食べ合わせるとまあまあいける。

<オーロラ観測は断念>

相変わらず、一面に曇り空が広がっている。今日は、オーロラ観測に出るまでもないことはすぐにわかった。初日にとりあえずオーロラを見ることができていたので、余裕であきらめることができた。

オーロラ観察を止めると時間のすごし方に困る。とりあえず、再びホテルのサウナへ。その後、テレビをつけたら、「ナウニア王国」の映画をみた。昨日の夜は、「ラスト・サムライ」をやっていた。長い・長い夜をすごすために、フィンランドのTV番組は充実しているのかも知れない。

ラップランド最終日:スノーシューイング2008/12/29 23:44

スノーシュー

今日はラップランドでの最終日。11:45のバスで空港に向かうため、あまり時間がない。朝、7時に起きて、早い朝食を済ませ、8時には外に出ようと思っていた。

予定どおり8時に、昨日借りたスノーシューを持って外に出てみたものの、まだ真っ暗。昨日のクロスカントリースキーのコースにいってみたが、誰一人いない。真っ暗な林の中へ、一人で入っていくのもちょっと躊躇されたので、いったんホテルに戻った。

9時に出直し。曇り空のため、外はまだ暗いが、他にも人がクロカンコースに出始めていたので、自分もスノーシューをつけて歩きだした。

スノーシューは始めての体験だが、そんなに難しいものでないことはすぐにわかった。単なるモダンなカンジキ。普通に歩けばよい。柔らかい雪の上では、足が沈み込むが、途中で止まってくれるので、雪にうずまることはない。スノーシューのコースは、クロカンのコースと平行に走り、途中からウルホ・ケッコネン国立公園の林の中に入っていく。コースは作ってあるが、今日は誰もまだ入っていない感じ。暗いなかで、ヘッドランプをつけて進む。今日の飛行機に遅れることはできないので、道に迷わないように慎重に進む。

暗い中で、一人で雪をサクサクさせて進むのはなかなか面白い。原始に戻った気分。2キロのショートコースを選んだつもりが、どうも6キロコースを進んでいたようだ。途中の標識でサーリセリカまで2キロと出たので、その間違いに気づいた。道理で全長2キロにしては時間がかかると思った。

そこから、迷わずに同じ道を引き返す。結局、4キロの散歩になった。ちょうどいい汗をかけた。ホテルに戻り、シャワーを浴びてから、チェックアウト。予定通り、空港行きのバスに乗った。

今回の旅では、オーロラ観察がメインだったので、それが一日目で達成できたのはとてもうれしい。その後は、サーリセリカでやれるほとんどのウインタースポーツを経験することができた。とりわけ、犬ゾリはここでしか楽しめないし、スノーモービルも広大な雪原がないできない。日本に帰ってからやってみたいと思っていたクロスカントリースキーやスノーシューイングもできたのもうれしい。

もともとは日本の山登りの仲間とキリマンジェロに登山に行く予定だったが、それがキャンセルとなったため、急遽この旅を企画した。結果としては、欧州駐在生活最後の旅にふさわしい、思い出深い旅となった。

今回の旅の写真は以下をどうぞ http://4travel.jp/traveler/hirootani/album/10297499/

さらばブラッセル!2008/12/30 15:58

今日がとうとうブラッセルを離れて、日本に帰国する日。

06年の1月に赴任以来、3年を暮らしたベルギー。ただ、なんとなく愛着が低い。それは、フランス語・フラマン語ともに理解できないため、TV・ラジオ・新聞も全く、ベルギーの地元にものに接してこなかったこと、また、会社も欧州の統括会社で、社員も欧州全土から集まり、仕事も各国を対象としていたため。まるで、空気のような存在。

ただ、観光地としては、色々な見所があって、何ヶ所も訪問したが、結局、網羅することはできなかった。

3年間の赴任生活は、長かったとも、短かったとも言える。初めての単身生活に不安を抱きながら、スタートしたが、意外に一人暮らしをエンジョイすることができた。厨房に入ったこともなかった自分が、料理本をみながら、食事もつくれるようになった。

一方で、仕事とプライベートともに、沢山の旅をした。結局、欧州で39カ国を訪問することができた。ほぼ毎週、飛行機に乗っていた。これほど、沢山の旅行をすることは今後も訪れることはないだろう。

気ままな単身生活を自分が送る一方で、妻は家族を抱えて家を守ってくれていた。いくら感謝しても仕切れない。帰国してから、少しは恩返しをしたい。

今日は、見送りに同僚と、日頃お世話になった秘書の女性カラオケ屋のママさんが来てくれた。年末の忙しい時期に来てくれてとてもうれしかった。